「ゆるやかな糖質制限ダイエット」の罠、ロカボの持つ危うさについて【メリットとデメリット】

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糖質制限(ダイエット)と一口に言っても、そのスタンスは様々です。

しっかりとした糖質制限を徹底するスタンスから、一日一食は糖質の多い食事をしても良いというスタンスもあれば、夕食だけ糖質抜きでというものもありますよね。

そんな中で緩やかな糖質制限の代名詞であるのがロカボですが、この基準には実は危険な側面も潜んでいる事をご存知でしょうか?

ロカボとは?

ロカボとは一言で言えば、「緩めの糖質制限」の事です。

しっかりとした糖質制限が一日の糖質量を60g以下、一食あたり20g以下といった基準に設定しているのに対して、ロカボの場合は一食あたり20~40g、間食として10g、一日の糖質量は130gといった糖質量の摂取を許しています。

糖質制限の第一人者として有名な江部先生が提唱する「スーパー糖質制限」のような基準(一食あたり20g、一日あたり60g)に比べると、およそ二倍ぐらいの糖質摂取を容認している事になりますね。

まさに「緩やかな」糖質制限です。

ロカボの良さ

ロカボというスタンスのメリットは何と言っても気軽に始めやすい所。

一食あたりの糖質量を20g以下としようとしたら、米を食べるのは現実的ではありませんし、パンも麺類も同様に実質的には食べれない(一部低糖質なパンや麺類は除く)と考えなければいけません。

しかしロカボなら40gという上限を設定されているので、例えばコンビニのおにぎり一つぐらいなら食べられます(と言ってもおにぎり一つでほぼマックスに達してしまいますが)。

その他、パンにしろ麺類にしろ量に気を付ければそれなりに食べられるラインです。

20gと40gの差というのは、「炭水化物は食べれません」と「炭水化物は少量に留めましょう」という差でもあると言えます。

ロカボというスタンスは、炭水化物に思い入れの強いロカボダイエット実践者にとってはもちろん、飲食関係に関わる多くの人にとっても関与する余地のある丁度良い落し所なんですよね。

ロカボの危険性

ロカボにはとっつきやすいなどのメリットがある一方で、危険性も存在します。

実はオーバーしている問題

まずはロカボの基準をしっかりと守れるのか?という点。

それを言ったらスーパー糖質制限の基準だって同じじゃ?と思う人もいると思いますが、実践している身としては「全然違う」と断言できます。

というのも、先ほども触れたように一食あたり20g以下の糖質量に抑えようと思ったら、基本的には炭水化物を主食とする食事にはなりません。

意地でも炭水化物を食べようと思えばもちろん(量などに気を付けつつ)食べる事自体は可能ですが、わざわざそんなことをするのは面倒極まりない。

でもロカボの基準なら炭水化物を量に気を付けつつ食べる事ができるので、恐らく多くのロカボ実践者はとりあえず炭水化物を食べながらロカボを実行するスタンスを選択すると思います。

しかしそうすると、思わぬ所で糖質を取り過ぎるリスクも急上昇します。

例えばパンを食べるとして、自分の試算ではパンで糖質30g、サラダなどで糖質10gを摂取して40gの昼食…というつもりが、実はそのパンは40gの糖質が含まれていて、ついでにサラダ等の試算も甘く、合計で60g近い糖質を摂取していた…なんて状況は非常に多く発生すると思います。

糖質量を事細かに把握する事は大変ですし、そもそも正確にどの程度含まれているかが分からないケースも多いと思うんですよね。

そんな時に、スーパー糖質制限を実行しているのであれば、少し多く取ってしまっても一食あたり30gや40g程度で収まるものが、ロカボの場合だと60gや70gにまで達する事も珍しくないでしょう。

糖質量管理が面倒

なまじ糖質を40gまでなら摂取しても良い(さらには20gは摂取しなければいけない)という基準があるので、とにかく糖質を減らせば良いというスタンスと比較すると管理がひどく面倒になるのは間違いありません。

糖質をとにかく取らなければ良いというスタンスなら、ザックリ言えば炭水化物フルーツ砂糖(あと異性化糖)に気を付けていれば大体大丈夫です(もちろんそれ以外にも気を付けるべき食品はあるにはありますが)。

それに比べてロカボの場合、最低でも20gは取らなければいけないという縛りがあり、それでいて40g以下にしなければならないというルールまであるので、ごく狭い範囲内に糖質量をコントロールする必要がありますから、それを実行できるだけの綿密な糖質量に関する知識を必要とします。

どちらがより楽であるかは、火を見るよりも明らかですよね。

ロカボ基準では糖尿病の人にはリスクが大きい

ロカボ基準の食事をⅡ型糖尿病の人が一定期間実行したデータによると、Ⅱ型糖尿病の治療という意味ではロカボでは弱すぎるという結果が出ています。

原文は英語なので、分かりやすく解説してくださっている糖質制限関連の著書で有名な清水泰行先生のブログ記事を参考とさせて頂きましょう。

参考 中途半端な糖質制限では中途半端な結果になるドクターシミズのひとりごと

もちろん緩やかな糖質制限は緩やかなだけに長く続けることは可能かもしれませんが、そこで得られる利益もかなり緩いものです。カロリー制限や低脂肪の食事よりは良い結果かもしれませんが、ほとんどリスクの低下には結びつかないのではないでしょうか?

詳しくは参考元の記事をご覧頂ければと思いますが、要約すると「ロカボレベルの糖質制限では糖尿病治療としては弱すぎる」という事ですね。

Ⅱ型糖尿病の人がロカボを実行したとしても普通に糖尿病合併症を発症する可能性があります。

ですから糖尿病治療の一環として糖質制限を取り入れる場合には、ロカボ基準ではなく、スーパー糖質制限基準での実行が必須だと言えるでしょう。

それほど痩せない

ロカボをダイエット目的で実行していると、先ほども触れたような「実は糖質の制限量をオーバーしている」といった問題も含めて、思ったよりも痩せないという問題に直面する人も少なくありません。

スーパー糖質制限を実行すれば順調にスルスルと痩せて行く人が多いんですが、それと比較するとやはりダイエット効果もかなーり緩めです。

間違っても「ゆるーい糖質制限でサクサク痩せる!」といった話ではなく、「ゆるーい糖質制限でゆっくり痩せる」あるいは、「ゆるーい糖質制限で体型維持!」といったものがロカボで得られるものである事は正しく認識しておきたい所です。

糖尿病の気が全くない人が体型維持のために実行する分にはお勧め

ロカボのメリットを一言で表現するなら「普通の糖質過多食に比べれば随分とマシ」であるという事です。

三食炭水化物だらけな食生活、砂糖にまみれた食生活に比べれば、ロカボ基準の食生活は随分とマシです。

しかし糖質制限の範囲内で見た場合、糖質の減らし方が緩い分、そこで得られる恩恵も非常に緩いという事はしっかりと認識しておきましょう。

糖尿病の人はロカボを実行しても合併症を防げない可能性がありますから、くれぐれもしっかりとした糖質制限を実行するようにしてください。

糖尿病の気が全くない人(食後高血糖なども含めて血糖値関連の問題が全くない人)が、体型維持か緩やかに痩せて行けば良いな?といったスタンスで実行する分にはロカボはお勧めできます。

過度な期待はせず、ほぼ現状維持から若干痩せるかも?といった程度の期待で緩く実行し続ける事が重要です。

目に見えた成果を早くあげたいのであれば、より確実に早くやせる事が出来るスーパー糖質制限(一日の糖質量60g以下、一食あたり20g以下)を実行する事をお勧めします。


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