一般に根菜・芋類は野菜類の中では高糖質なものが多いので、食べ過ぎには注意しなければいけません。
大根のように比較的低糖質なものもありますが、逆にサツマイモのように高糖質なものも存在しますからね。
サツマイモのように甘味の強い芋はやはり高糖質になってしまいがちなのですが、実は甘味が強いのに糖質制限向きな根菜がある事をご存知でしょうか。
それは、ヤーコンです。
ヤーコンとは?


ヤーコン(英: Yacón、学名:Smallanthus sonchifolius)はキク科スマランサス属の多年草。根にフラクトオリゴ糖(英語版)が多く、ナシのような食感と甘みがあり、食用にされる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヤーコン
掘り起こした状態だと見た目はサツマイモに似ていますが、切ってみると全くの別物である事が分かると思います。
中身の質感はイモというよりは大根などに近く、透明感があります。
一言でいえば、「大根とサツマイモを足して二で割ったような何か」ですね。
味の方はウィキペディアの説明にあるように甘味が強く、ある意味ではサトウキビをかじった時のような印象すらあります。
サトウキビと違って普通に噛み切る事ができますから、こちらは普通に食用として活用できます。
生のままで食べる事ができます。
高糖質なのに糖質制限OK?
ヤーコンの栄養素を見てみると、以下のようになっています。
100gあたりの糖質量(炭水化物-食物繊維) | |
---|---|
ヤーコン/塊根、生 | 11.3g |
ヤーコン/塊根、水煮 | 8.7g |
出典:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)
このように、ヤーコンはそれなりに糖質を多く含んでいます。
ちなみに比較対象として「じゃがいも」の糖質量がどの程度かを見てみましょう。
100gあたりの糖質量(炭水化物-食物繊維) | |
---|---|
じゃがいも/塊茎、生 | 8.4g |
じゃがいも/塊茎、蒸し | 14.6g |
じゃがいもは加熱する事で食物繊維が減り、糖質として体に吸収される分量が増えますから生状態よりも蒸したものの方が高糖質となります。
流石に加熱したジャガイモに比べるとヤーコンの方が低糖質であるとは言えますが、それでも侮れない量の糖質を含んでいるのは間違いありません。
ちなみに大根の糖質量は以下の通りです。
100gあたりの糖質量(炭水化物-食物繊維) | |
---|---|
だいこん/根、皮むき、生 | 2.8g |
だいこん/根、皮むき、ゆで | 2.3g |
大根と比べて見ると、ヤーコンが如何に多くの糖質を含んでいるかが分かりますね。
このように比較的多くの糖質を含んでいるヤーコンですが、実は糖質制限OK食材なんです!
なぜなら、ヤーコンに含まれている糖質の多くはフラクトオリゴ糖だからです。
フラクトオリゴ糖とは?
フラクトオリゴ糖とは、難消化性のオリゴ糖です。
難消化性、つまりは体内に吸収されにくい糖なので、血糖値をほとんど上昇させません。
要するに、エリスリトールなどの血糖値にほとんど影響をあたえない甘味料と同じようなものと言えます。
実はヤーコンに含まれている糖質の大部分がこのフラクトオリゴ糖なんです。
含有量は情報元によってバラつきがありますが、おおよそ100gあたりに8g程度はフラクトオリゴ糖が含まれているとの事です。
これを先ほど紹介したヤーコンに含まれる糖質量から差し引いてみると、実質的な糖質量(血糖値に関与する量)は大根と同程度には低糖質な食品だと言えます。
このようにヤーコンは含まれている糖質の多くが血糖値を上昇させない性質のものですから、糖質制限中でも比較的取り入れやすい食品なんです。
整腸作用にも期待できる
血糖値を上昇させないだけではなく、フラクトオリゴ糖は腸内環境を整える作用にも期待できます。
食物繊維や一部の糖質のように、人体が吸収できない栄養素であっても、腸内細菌にとっては貴重な栄養素として有効に活用されています。
ヤーコンを食べる事でフラクトオリゴ糖を多く摂取する事は、ビフィズス菌のような腸内にとって重要な菌を元気に保つためにも非常に良い事なのです。
ヤーコンレシピ
クックパッドを覗いてみると、様々なヤーコンのレシピが存在しています。
やはりイモやダイコン、あるいはゴボウの代わりとして活用しているようなレシピが多いですね。
ヤーコンは甘味が強いので、そこを上手に生かせるかが問題です。
個人的には、ヤーコンは生のまま食べるのが一番美味しいのではないかと思っています。
皮をピーラーで向いて、食べやすい大きさに切ってそのまま食べる。
それだけでも十分に美味しいですよ。
皆さん是非、普段の食卓に乗せる根菜として、ヤーコンを選択肢に加えて頂ければと思います。