糖質制限ダイエットはもはや一過性の流行ではなく、更に言えばダイエットといった枠組みを超えた「食生活の新常識」として今正に定着し始めた所だと言えるでしょう。
正しく実践した人は多くの場合で成果を上げる事が出来るので、自らの身をもって糖質制限の効果を実感でき、そういった成功体験の連鎖反応によって次々に糖質を制限する人を生み出しています。
しかしそんな中でも、糖質制限ダイエットを断念していまう人もやはりいるのです。
その違いは何なのか…個人的に思う最も重要な「適正」はアレだと思うんですよ。
糖質依存症からの脱却
多くの人は知らず知らずのうちに重度の糖質依存症となっています。
当然それはいわゆる「甘い食べ物」に限らず、米やパン、麺類といったような穀物も含めての話です。
炊き立てのお米を頬張りながら米に合うオカズを食べつつまた米をかっこむ…そんな食事が至福のひと時であるという人は非常に多い事でしょう。
さらには食後のデザートとして甘いモノがあるとお腹いっぱいだったはずなのに不思議と「別腹」で食べれちゃう…なんて人も沢山いることでしょう。
そんな幸福感をもたらしてくれる糖質、それを制限した食事を実行しようとするんだから、最初はやはり大変な事も少なくありません。
要は禁煙と一緒ですね。
糖質にしろニコチンにしろ、ガッチリと距離を取れさえすれば平気になるものの、摂取を止めた最初の頃はついつい気が取られるのも無理はありません。
そこで糖質へ逆戻りしないように出来るか否か、そこに糖質制限ダイエットの成否が掛かっていると言えます。
糖質オフの対価を用意できるか
糖質制限ダイエット向きな人と不向きな人の決定的な違いは、「糖質オフする代わりに得られる対価を用意できるか」という点にあります。
つまり、糖質を制限する寂しさを紛らわす事が出来るメリットを自分なりに用意できるか次第なんですよね。
例えば自分の場合、肉や魚が大好きなので糖質制限を始める時にこう思いました。
「米・パン・麺類を食べさえしなければ肉や魚を沢山食べても痩せるなんて最高じゃないか、しかも酒だって蒸留酒なら飲める!」
自分にとっては米やパン、麺類といった食品、さらには砂糖や果糖ブドウ糖液を多量に用いた食品や飲料を摂取しないという事と、肉や魚は腹一杯食べれるという事を天秤にかけた場合、つり合いが取れるか若干後者が勝るように思えました。
なので糖質制限ダイエットを始めた当初は、それはもう好きなように肉やら魚やらを買ってきて、ここぞとばかりにムシャムシャ食べていたのを覚えています。
当時はそれこそ、「こんな食生活でホントに痩せるの?」と疑問に思うほどでしたが、糖質依存状態から脱却するためには、これぐらい自分(の舌と胃)を甘やかす必要があると感じたのです。
その結果、数日そんな事を続けてすっかり飽き(笑)、ほどほどに美味しく肉や魚、そして野菜などなどを摂取する食生活に移行したのですが、最初の段階でこれでもかと肉や魚を贅沢に食らって見たからこそ、その境地に違和感なくたどり着けたようにも思います。
しかしこれがもし、自分ほど肉や魚が大好きではない、もっと言えば「糖質系食品を食べないストレスが肉や魚を沢山食べれる事で補完できない」人の場合、随分と話が変わって来ます。
これは特に女性で多いかも知れませんが、肉や魚をモリモリ食べるより砂糖を沢山使ったお菓子を食べるのが大好きだったり、あるいは米やパン、そして麺類などの穀物を食べる喜びが前者を上回ってしまうような人(つまり糖質が特に大好きな人)は、糖質依存から抜け出す事が少し困難になってしまうのだと思います。
糖質を制限したことで満たされない心(と舌と胃)をタンパク質や脂質などで代わりに満たせるかどうか、この違いが糖質制限ダイエットの成否を大きく左右しているんじゃないでしょうか。
とりあえず(糖質以外で)好きなものをお腹いっぱい食べる習慣をつけてみる
以前別の記事でも語りましたが、多くの人が糖質に強い思い入れを示す一つの理由として、「糖質で満腹感を得る事に幸福を感じていたから」というのがあると思うんです。
なのでとりあえずは糖質以外のもので満腹感を得る事で、「満腹感は糖質以外でも得られるよ」というのを体に教え込みましょう。
そうすると、以前は「やっぱり米だな!」とか「ラーメン喰いてぇー」なんて思っていたのが不思議なくらい、糖質に対する執着が随分と緩和されると思います。
我々は知らず知らずのうちに「主食で腹を満たす」という行為に慣れ過ぎていて、「米がないと物足りない」「おかずだけじゃ喰った気がしない」なんて事を思うようになってしまっています。
しかし実際にはそんな事はなく、いわゆる主食を抜いても十分に満腹感は得られますし、ついでに健康まで得られるんです。
食事を楽しめるかどうか次第
糖質制限ダイエットはカロリー制限ダイエットと比較して実行する上で大きなアドバンデージがあります。
それは、「お腹いっぱい食べられる」事です。
つまり、「糖質以外のものをお腹いっぱい食べる食生活を楽しむ」事さえ出来れば、糖質制限ダイエットは圧倒的に簡単なダイエット法だと言えるんです。
そんな楽しい糖質制限食生活を続けて行った先には、「おまけ」として体重の減少と健康が手に入る…こういった緩いスタンスが何よりも重要ですね。