栄養成分表示に「糖質量」が明記されていない場合の「炭水化物」に関する捉え方や見方について【糖質制限ダイエット】

成分表示

「炭水化物」と「糖質」の違いについては、以前別の記事で詳しく解説しました。

砂糖『炭水化物』と『糖質』と『糖類』の違い

世の中の食品には、栄養成分表示に糖質量が明記されていないものが少なからずあります。

糖質制限をしているような場合だと、そういった時に困る事も少なくありません。

そこで今回は、栄養成分表示に糖質という項目がない場合(炭水化物というカテゴライズしかない場合)に食品の糖質量をどのように判断するべきかを簡単に説明します。

栄養成分表示のルール

食品表示法で規定されている食品に記載する栄養成分表示のルールでは、以下の項目については表記義務があります。

  • 熱量
  • たんぱく質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • ナトリウム(食塩相当量に換算)

このように炭水化物の表記義務はありますが、その内訳に関しては表記義務は存在していません。

つまり、炭水化物の中に含まれている糖質の量は表記しなくても問題ないという事になっているのです。

しかし糖質制限実践者が知りたいのは炭水化物全体の量ではなく、糖質の量ですよね?

そういったニーズもあって、最近では炭水化物内の内訳をしっかりと明記しているケースが増えてきているようです。

食品表示法でも、食物繊維は推奨表示項目として取り上げられていますし、任意で表示できる要素として糖質や糖類に関しても表示が認められています。

ちなみに食物繊維と糖質に関しては、どちらかを表記する場合にはもう片方についても一緒に表記しなければならないというルールがあります。

炭水化物の表記しかない場合の対処方法

糖質制限をしているのに食品の表記に糖質量がない場合はどうしたら良いのか悩む方もいらっしゃるでしょう。

しかし実は、これに関しては然程問題とはなりません。

というのも、多くの食品において食物繊維の含有量というのは微々たるものです。

つまり、炭水化物と表記されているもののほとんどは実質的には糖質なのです。

もちろん例外的なケースは存在しますが、そういった食品に関しては多くの場合で成分表示に食物繊維や糖質の項目を設けている事がほとんどです。

つまり成分表示に炭水化物の表示しかない(その内訳が記されていない)場合には、その炭水化物とはほぼ全て糖質であると判断して差し支えありません。

糖質の表示を義務化してほしい

食品表示法で義務表示とされているのは先述した5つの項目(熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム)です。

それに加えて推奨表示として、飽和脂肪酸と食物繊維が挙げられています。

しかし糖質制限実践者からしてみると、糖質の表示こそ義務化するべきだろうと思いますよね。

個人的には「炭水化物」という項目を無くして、代わりに「糖質」と「食物繊維」という項目を義務表示として採用するべきではないかと思います。

「低炭水化物ダイエット≠糖質制限ダイエット」という言葉遊び

低炭水化物ダイエット(炭水化物抜きダイエット)と糖質制限ダイエットは違うという意見を目にする事があります。

中身を見てみると、炭水化物の中には食物繊維も含まれているが、糖質制限ダイエットでは食物繊維は積極的に摂取する事を推奨しているからその点で両者は異なる…といった話となっています。

しかしこれは、ハッキリ言って単なる言葉遊びに過ぎませんし、「上げ足取り」と言っても言い過ぎではないでしょう。

低炭水化物ダイエットの趣旨を考えれば、食物繊維まで節制する意図はなく、あくまでも糖質制限の方法論として炭水化物を断つことを意図したものと言えます。

先述のように炭水化物のほとんどは糖質ですから、炭水化物を摂取しない事と糖質を摂取しない事はほとんど同じような話なのです。

このような言葉遊びのような事が発生する原因の一つは、成分表示では炭水化物という項目が義務表示として採用されているからです。

実用的な視点で言えば、義務表示に採用されている炭水化物という項目を見れば分かるように、「炭水化物を抜きましょう」と言う方が分かりやすいと言えますから、そういった意味で「低炭水化物ダイエット」といった名称がつけられたものと思われます。

一方で実際に節制したいのは炭水化物の中でも糖質だけですから、食物繊維まで節制する事を意図しているわけではありません。

こういった視点で見た場合には「糖質制限ダイエット」と言った方がより正確な表現であるとは言えるでしょう。

このように実用面を重視するか正確性を重視するかで言葉の表現が異なる状況が成立するような状況は混乱を招くだけです。

ですから食品の成分表示に関して「炭水化物」という項目を止めて、「糖質」と「食物繊維」という項目を義務表示に加える事には大きな意味と意義があると言えるでしょう。