糖質制限をしている人でGI値やGL値をあまり気にしていない人が多い理由

玄米

糖質制限をする上で重要なのはとにかく糖質の摂取量ですが、それ以外にも(なんならそれ以上に)重要な要素がある!と糖質制限について調べていると出て来た人も多いんじゃないでしょうか?

そう、GI値GL値ですね。

これらが何なのかについては以前別の記事でも説明しましたが、自分はこういった指標を然程重要視していません。

緑黄色野菜GI値とGL値とは?その違いと信頼度について【糖質制限ダイエット情報の信ぴょう性】

自分と同じく、糖質制限を実施している人の中にはGI値やGL値について驚くほど無頓着な人も実は多いんです。

それは何故なのか、今回はそういったお話です。

GI値とGL値とは

そもそもGI値とGL値とは何かという点に関する説明を、以前の記事から引っ張って来たいと思います。

GI(グライセミック・インデックス)値とは、各食品別に同量の炭水化物を摂取した場合に食後高血糖を引き起こす度合いを数値化したものであり、この数値が高いほど食後高血糖状態が発生しやすいという事になります。

要するにGI値の高い食品は高血糖を発生させる性質が強いですよって話です。

対してGL(グリセミック・ロード)値とは、GI値をより実践的な数値として表すために作られたものであり、実際に食べる量(摂取する炭水化物量)を勘案した上で一般的な食事における食後高血糖を引き起こす度合いを数値化したものです。

GI値は摂取量を加味していない数値なので、実際に摂取する量を考慮したGL値のほうが現実に則した指標となりますね。

GI値はその食品に含まれる糖質がどのぐらい高血糖を発現させるかの度合い(性質)を表した数値、GL値はGI値を元として実際に摂取する糖質量を加味してその食品がどれぐらい高血糖になりやすいかを表した指標です。

例えばニンジンなどは、GI値は比較的高めですがGL値は低くなります。

これはニンジンに含まれる糖質は性質的には比較的血糖値を上げやすい(GI値が高い)ものの、ニンジン1本に含まれる糖質量はそれほど多くはないので食品としてはそれほど血糖値を上げやすいものではない(GL値は低い)という事です。

なぜGI値やGL値を気にしないのか

その1:数値の信ぴょう性が微妙

以前の記事でも語りましたが、GI値(そしてそこから導き出されているGL値)というのは、検査に関わった被験者複数人の高血糖時の成績を平均したものであり、万人に等しく適応できるような指標ではないのです。

仮にもし自分専用のGI値といったものを正確に把握できたとしたら活用できるかも?とも思いますが、それに関しても同一人物でも日ごと食事毎に随分と違った反応を見せるのが血糖値というものであり、突き詰めて行くとキリがないようにも思います。

何となくの指標としては全く使えないわけではないと思いますが、実用性としては…ですね。

その2:個人差が大きい

その1にも関わる問題ですが、食後高血糖が何を食べた時により強く表れるかは非常に個人差の大きいもののようです。

となると、一般化されたGI値やGL値では低GI低GLだったとしても、実は自分にとっては非常に過敏に高血糖を誘発する食品だったなんて事も普通にあり得るのです。

こうなってしまうと、もはや一般化されたGI値やGL値を参照する意味があるのか?というのが非常に怪しくなってきますね。

その3:糖質制限していれば少ししか糖質を摂取していないからほぼ関係ない

これが一番大きな理由です。

一口に糖質制限と言っても、糖質摂取量が限りなくゼロに近い人から100g/日ぐらいは摂取している人まで様々ですが、特に一日の糖質摂取量が50gを割り込む程度の人の場合、その糖質が低GIだろうが高GIだろうが、低GLだろうが高GLだろうが、正直どうでも良いんですよね。

そもそも極少量しか摂取していないので、血糖値を上昇させるといっても高が知れています。

ある程度しっかりと糖質制限をしている人にとっては、極少量摂取している糖質の性質なんて些末な問題なわけです。

その4:GI値やGL値を考えるのが面倒くさい

指標としての信頼度が微妙で自分自身の体で起こる反応とは乖離している可能性すらあるGI値やGL値。

そんな数値をわざわざ覚えて日々の献立に組み込んで行くというのは、労力ばかりがかかって見返りが少ないとしか思えません。

よりシンプルに「糖質の摂取量」に着眼した方が遥かに楽であるのは間違いないでしょう。

「ロカボ」レベルの糖質制限者にとっては気になる?

自分は一日に摂取する糖質が50g以下になるような糖質制限を実施しているのですが、中には「ロカボ」として提唱されているレベルの糖質制限を行っているという方もいらっしゃるでしょう。

そういった人はひょっとしたらGI値やGL値が気になりやすいんじゃないでしょうか?

そういった場合、先ほども語ったように「GI値には個人差が大きい」という点を鑑みて、摂取する糖質量をロカボの範疇に収めつつ(一日に70~130g)低GI低GL食品によるプラスアルファの効果を期待するのが良いでしょう。

間違っても、「食べている食品は低GI(低GL)だから糖質摂取量は130gを超えてるけど大丈夫だろう」などといったようには考えないようにしてください。

大前提として重要なのは糖質の摂取量である点は肝に銘じて頂きたい所です。

GI値やGL値は糖質に未練がある人への罠

すっかり糖質制限食に慣れた身だからこそ言える事ですが、GI値やGL値というのは「糖質制限をしたいけど、やっぱり糖質が大好き」な人への(まさに)甘い罠のように思えてなりません。

つまり、「白米より玄米の方がGI値は低いから玄米なら食べて良いんじゃない?」だとか、「うどんと蕎麦なら蕎麦の方がGI値が低いから蕎麦なら大丈夫だよ!」といった具合に、何だかんだと糖質過多な食品を食べる方向へ向かわせる、悪魔の囁きのようでもありますね。

繰り返しになりますが、重要なのは糖質量です。

そこさえ間違わなければ、摂取してしまった少量の糖質が多少GI値が高かろうがGL値が高かろうが、それは本当にどうでも良いような話です。

裏を返せば、GI値やGL値が気にならなくなる事こそ、糖質制限が身に付いた証なのかも知れませんね。