「ダイエットにカロリーはほぼ関係ない」事をしっかりと認識しましょう

ダイエットにカロリーは関係ない

ダイエット情報を検索すると未だに「バランスの良い食事を心がけて、カロリーの取り過ぎに気を付けましょう」といった事が平然と書かれています。

人間が太る仕組みの大部分は糖質の過剰摂取にある事が分かっている方にとっては、「まだそんな事を…」といった感想を抱く人も多いと思いますが、残念ながら世間の認識ではまだまだ「カロリー=太る」という事が公然の事実として扱われています。

ダイエットを実行する上ではまず、この点に関して正しい知識を持つことが重要です。

そこで今回の記事では、改めて人間が太る仕組みについて確認してみたいと思います。

「カロリー」で太るわけではない

少し前まではほとんどの人が疑う事すらしていなかった「カロリー神話」。

カロリー制限ダイエットの基本的な考え方は、「消費カロリーが摂取カロリーよりも多ければ、その差分だけ体脂肪がエネルギーとして燃焼するから痩せる」というものでしたね。

これ自体は細かな内容を横に置いておくとすれば必ずしも間違いではありませんから(不足エネルギーを補うために体脂肪が消費されるという点は正しい)、カロリー制限ダイエットを実践して痩せる事ができたという人も多いと思います。

しかしカロリー制限を行う事は、健康面から言えば全く推奨できるものではありません。

カロリー制限ダイエットとはつまり、体を飢餓状態に追い込む事で否応なく痩せさせる事、つまりは「やつれる」事を意味します。

制限するカロリーの中には、体にとって不可欠な栄養素であるタンパク質や脂質が含まれています。

タンパク質や脂質を制限するという事は、体を構成する材料が不足するという事です。

その結果、骨密度が低下して骨折しやすくなるなどの弊害が発生する事になります。

カロリー制限というとまるで「燃料を減らす」ようなニュアンスとして捉えている人も多いと思いますが、タンパク質や脂質は体にとって燃料であるのと同時に材料でもあるのです。

タンパク質や脂質は体にとって燃料であり材料である…では炭水化物は?という事になると思いますが、実は炭水化物に関してはほぼ純粋に燃料です。

つまり炭水化物(糖質)を減らす事こそ、燃料を減らして体に蓄えられた予備燃料(体脂肪)を燃焼させる事に直結しながら体を構成する素材不足に陥らない最良の選択なのです。

脂質を摂取したから脂肪が体に付くわけではない

少し前までは(あるいは今でも)、油っこい料理は太るという認識が一般的となっていましたよね。

肥満というのはつまり体に脂肪を過度に蓄える事ですから、脂肪を蓄えるような食事を連想した時に油っこい料理を思い浮かべるのは無理もない事です。

しかし人体の仕組みを見て行くと、別に脂肪を摂取したから体脂肪が増えるというものではない事が良く分かります。

もちろん脂質をあまりにも過剰に摂取すれば、それを原因として太る事も可能でしょうが、脂質の摂取は基本的には体に脂肪を蓄える働きとはあまり関係ありません。

ではどういった理由で人は太るのかと言えば、それは糖質を摂取した際に発生する血糖値の上昇から始まる代謝のメカニズムによるものです。

糖質を摂取すると血糖値が上昇します。

血糖値が上昇した状態が長時間維持されるのは人体にとって非常に負担が大きい事なので、体内では血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが膵臓から分泌されます。

インスリンの働きで血糖値は下がります(血液中のブドウ糖がインスリンに取り込まれる)が、そのブドウ糖をインスリンは体の各部位に分配して利用・貯蔵します。

しかしその貯蔵量には限りがあり、分配しきれなかったブドウ糖をインスリンは中性脂肪へ変換して体内に貯蔵します(皮下脂肪や内臓脂肪となる)。

こういった一連のサイクルが人間が肥満に陥る最たる要因です。

つまり肥満の元凶は血糖値の上昇であり、そこには脂質の摂取は全く関係していません。

なぜなら、脂質をどれだけ摂取しても血糖値は全く上昇しないからです。

糖質の摂取さえ気を付けておけば良い

カロリー制限ダイエットといえば、食品のカロリー量をしっかりと計算して実践しなければいけないので非常に大変なイメージがあります。

というか実際に大変なので、多くの人が自分だけで管理するのは大変ですから、ダイエット目的でカロリー制限をする場合には、実はちゃんと制限できているのか良く分からない状況というものが非常に多いんじゃないでしょうか?

カロリー制限をしている方に起こりがちな問題として、どうしても自分の摂取カロリーを過小に認識してしまうという事があるようです。

こういった過小に認識してしまう心理というのは糖質の摂取量に関しても少なからずあるとは思いますが、糖質量に関してはカロリー量に比べると随分と把握しやすいのは間違いないでしょう。

最初は戸惑いも少なくないとは思いますが、慣れてくればどんな食材にどの程度の糖質が含まれているかは分かって来ますので、ある程度の誤差はあるにしても、カロリー制限に比べて糖質制限は圧倒的に管理が楽だとは言えるでしょう。

カロリー制限ダイエットは「やせる」ではなく「やつれる」

人間が太る原因の最たるものは糖質の過剰摂取です。

ですから糖質の過剰摂取を止めなければ、どれだけ消費エネルギーを増やして体脂肪を燃焼させようが新たに脂肪を蓄積させ続けるだけです。

糖質(炭水化物)の多くは人間にとって燃料(エネルギー)でしかなく、体を構成する素材ではありません。

対してタンパク質や脂質はエネルギーであると同時に、体を構成する大切な素材でもあります。

体脂肪という備蓄エネルギーを消費するために糖質を断つというのは非常に理に適った方法であると言えますが、タンパク質や脂質を制限する事は体の素材不足を引き起こしてしまうので非常に危険です。

ハッキリ言ってしまえば、カロリー制限ダイエットは間違ったダイエット法です。

人体の仕組みに則さない痩せ方であり、言い換えれば「やつれる」だけです。

健康と引き換えに痩せるのがカロリー制限ダイエットの特徴と言えますから、全くヘルシーではありません。

それに対して糖質制限ダイエットは人体の仕組みに則した痩せ方ですから、ある意味では「適正な体になる」という事です。

元々ダイエットという言葉は必ずしも痩せる事を意味するものではなく、より健康的な体を実現する事を意味していたようです。

つまり糖質制限ダイエットこそが本来的な意味でのダイエットであり、カロリー制限ダイエットはダイエットではないと言う事も出来るんでしょう。

ダイエットをする上でカロリーを気にする必要は基本的にありません。

もしあなたが例えば毎日のように牛一頭分ぐらいの肉を食べているような人であるなら、タンパク質や脂質由来でもそれなりには太れるかも知れません(これだけ食べても太れないかも知れませんが)。

しかし一般的な大食漢レベルの食欲であれば、あなたが日々摂取している程度の「カロリー量で太る」という事を心配する必要はありません。

気にするべきなのはあくまでも糖質量です。

「糖質=炭水化物-食物繊維」ですが、よっぽど食物繊維が豊富なものでもなければ、ほとんどの場合で「炭水化物量≒糖質量」と認識しても問題ありません。

カロリーの上限は一般的な食生活を送っている分には気にする必要はありません。

カロリーについて気にするのであれば、不足していないか?を心配しましょう。

カロリー不足であるというのはつまり、タンパク質や脂質が不足している可能性が高いですからね。

取り過ぎを心配するべきなのは糖質だけです。